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VOL.109 バリトンリサイタル

“ おどま盆ぎり盆ぎり 盆から先ゃおらんど 盆が早よ来りゃ 早よもどる・・・・“
タキシード姿の立派な体格の歌い手がバリトンの響きで謡いだすと客席全体が飲み込まれていきます。

熱中症注意報の出ていた暑い日でしたが、浜離宮朝日ホールで行われたSHUNSUKE IMAI『 BARITON RECITAL 』に行って来ました。
二期会のオペラ歌手としても、音大出の混声コーラスグループ「フォレスタ」のメンバーとしても活躍している今井俊輔氏。
私は以前から彼の大ファンなのです。

(左:プログラム表紙より)

 
 

第1部は有名な歌劇の中から私達もなじみのあるアリアなどを4曲、と「竹田の子守唄」「五木の子守唄」「島原地方の子守唄」の組み合わせでした。
子守唄といっても、可愛い赤ちゃんを寝かしつける穏やかな優しい唄ではなく、それぞれにつらい背景を持った民謡です。(「島原地方・・」は新民謡 ?)
冒頭に掲げた「五木の子守唄」も恵まれない子守娘の哀歌ですよね。

第2部は組曲「日本の笛」。ある作曲家が北原白秋の詩集の中から21編を選び出し、「ここにこそ本当の日本民族の「魂のふるさとを」を見出すことが出来る」との熱意をこめて構成したとのこと。
「・・・わが国土の北から南へと広がる豊かな民族の詩であり、私達の祖先が生活したそれぞれの土地の気候、風土、人情がいきいきと描き出された珠玉の名作で・・・」と白秋の詩集の解説にあるように、曲もすべて民謡調です。

これらをあの体中に響くような調べで会場中に投げかけていくのです。
とくに第2部の21曲続けての流れは見事でした。

ピアノの伴奏だけをバックに、タキシード姿でバリトンの響きの中に観客を誘い込み、各地方を背景に持った民謡を組曲として謳い上げて行く30分ほどの高揚時間・・・。
想像がつきますか?
客席は完全に酔いしれておりました。

最後に、大きなアンコール拍手のなかで、彼がサービスとして追加したのは下記の3曲でした。
「荒城の月」 「海ゆかば」 「Largo al factotum(セビリアの理髪師より)」

叙情性のある日本の名曲、ある時代をしのばせる唄、観客の胸をくすぐるようなコメディオペラの冒頭・・・。彼のスター性を充分納得させる選曲ですね。

おたおたした上記文章でもわかるように、言葉ではとても説明しきれない魅力的なコンサートでした。
またの機会に、ぜひその中に身をおきたい・・・! と、願ったことでした。

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さて、そのように酔いしれた時間を思い出しながら、非常に現実的なご提案です。
歌を歌うとき、どのあたりの筋肉を使うか想像がつきますか?
ご自分で歌ってみても、あれこれ想像できると思いますが、
ここで、たまにはヱクササイズを行ってみましょうか。
皆様の日常生活にも必要な筋肉を3ヶ程。

小頬骨筋のエクササイズ
~頬を挙げて余裕のある声を出しましょう~

① 右側だけ口角を上げ、右目を閉じる 5秒
② そのままで            5秒
③ 自然の表情にもどす        5秒
④ 左側も同様に行う         5秒
(3回繰り返します)

口輪筋のエクササイズ
~口の周りをしっかりと動かしましょう~

① 唇をすぼめて前方に突き出す    3秒
② そのままで            5秒
③ すぼめた口を元にもどし、
 歯を巻き込んで外側いっぱいに引く 5秒
④ そのままで            5秒
⑤ 自然の表情にもどす        5秒
(3回繰り返します)

顎舌骨筋のエクササイズ
~気道をふさがないように舌をしっかりと支えてくださいね~

① 背筋を伸ばし、ゆっくり天井を仰ぐ 5秒
② 舌を垂直に出来る限り出す     5秒
③ そのままで            5秒
④ 舌を引っ込める          5秒
⑤ 自然の状態にもどす        5秒
(3回繰り返します)

(2018年8月12日)