森川藤凰博士×立石かずこ対談 

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立石かずこ(たていし かずこ)
<プロフィール>
株式会社パーソナルカラー研究所スタジオHOW専務取締役。
フェイスストレッチング主宰。
フェイスストレッチング協会代表。
トータルのイメージコンサルティングを目指し医学的エクササイズに自らのノウハウを組み込んだレッスンは、各方面からの幅広い支持を得る。

日本顔学会会員/ カラー&イメージコンサルタント / 日本パーソナルカラー協会監事 / 日本色彩学会会員 / /ビジネスマナー指導協会認定講師 他

 
 
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快晴に恵まれた某日、フェイスストレッチング考案者である森川藤凰医学博士と、スタジオHOWフェイスストレッチング 主宰立石かずこによる対談が行われました。
自然に囲まれたマンションにお住まいの森川医学博士のもとに、立石とスタッフ2名がおじゃまをし、和やかな雰囲気のなかで対談が始まりました。
森川先生は、ブルーの色鮮やかなシャツの襟元にアスコットタイをあしらったダンディーな装いで登場です。



森川先生(以下、敬称略)
このアスコットタイは、同じマンションに住む女優Aさんからいただきました。Aさんとはこの付近をよく一緒に散歩するんですよ。女優さんと知り合って舞台を観るようになってから、より一層表情を観察するようになったという森川先生の今の興味は、役者さんの表情の作り方。 表情筋の先駆者である森川医学博士に、早速伺ってみました。

「森川先生はどのようなきっかけでこの分野を手掛けられたのですか?」(スタッフ)

森川>私が学会で「表情筋」について発表したのは30年近く前ですが、それまでは表情筋について触れている学術的な文献はほ とんどありませんでした。当時、ある国際会議の場で学者が集まって「表情筋」について研究を進めようという ことになり、それを私が行うことになったのです。表情筋運動についてはその効果の研 究をさらに行い、研究の成果は国際シンポジウムでも講演いたしました。フェイスストレッチングはこの2つの国際会議で報告した研究内容が骨子となっていま す。

「研究中のエピソードを教えてく ださい」

森川>表情筋の研究は学会発表の10年ほど前から取り組み始め たのですが、研究の一環で、奈良や日光の仏像の顔をよく見て回ったものです。仏師は 表情筋のことをわかったうえで作成したのかと思うほど、良い出来でした。また、解剖もしてレポートを書いて・・・の毎日で、解剖した日の帰りのタクシーでは、臭いのために乗車を拒否されたこともありましたね(笑)。

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「立石先生と森川先生の出会いは?」

立石>イメージコンサルタントの立場から、人の印象を変えるには、その方の表情が大切だと常々思っていました。どうしたらコミュニケーションに必要な顔の表現が自然に出来るようになるか・・・と考えていた時に出会ったのが、森川先生の本「フェイスストレッチング」です。
その後先生の研究室に伺って指導を受け、一般の方々に指導する許可をいただきました。
当時森川先生にチェックを受けるときは緊張したものです。

森川>そうですか?実は私も緊張していたんですよ。

「森川先生は研究のために、立石先生は指導のためにいろいろな顔をご覧になってきました。何か気付かれたこ とは?」

森川>環境によって表情の作り方が違いますね。ノーブルであったり、野性的であったり。同じ日本人でも、海外生活の長い人の笑顔は違います。会社勤めでストレスのたまった顔も、定年退職すると温和な顔になる。

立石>例えばドイツ語や韓国語を話す方は口の周りの筋肉を目いっぱい使っていますが、日本語はどちらかといえば口先だけの動きのように感じます。話す言葉によって日常生活で鍛えられている場所が異なりますね。また、顔で気持ちを表現しようという意識のある方は表情筋がよく動きます。

森川>これは解剖した時のことですが、表情筋の付き方にも人種により違いが見られました。日本人は筋肉同士の境があいまいなのですが、西洋人は非常にはっきりしているのです。また、皮下脂肪も日本人は割合に多めなのですよ。

「表情筋という言葉も、今ではすっかり一般に浸透しています」

森川>当時は表情筋云々と言ってくる医者もいなかったぐらいです。

立石>表情筋の運動も、顔ヨガ、フェイスストレッチ、小顔エクササイズ、顔のトレーニング、いろいろな名称で呼ばれるようになりましたね。

「フェイスストレッチングは現在様々な分野で取り入れられるようになり、近年では医学の分野での注目も集 まっていますが」

立石>健康面に顔の筋肉が多く関わっていることがお医者様の間でも取り上げられるようになりました。主に眼科・耳鼻 咽喉科・歯科などです。中でも歯科はセミナーの依頼や、歯科衛生士さんの受講が多い ですね。今大変多い顎関節症の症状を和らげていくのに、筋肉のストレッチ運動は効果的とのお墨付きもいただいております。

森川>表情筋エクササイズを正確に普及してくれたのは立石さんです。これからも医学者に堂々とレクチャーしていただきたいと思います。

「立石先生が指導していく上で心がけていることはありますか?」

立石>人によって筋肉の状態が異なるので、最初は無理をしないように少しずつ慣れていっていただきます。楽しく参加して実感を持って納得していただけるよう、イメージコンサルタントとしての様々なプラスのレッスンを付け加えて講座を進めています。

「フェイスストレッチングの講師を目指す方も増えてきましたが」

森川>講師養成講座には大勢の方がお集まりのようですね。

立石>様々な分野の方が、ご自分の専門分野にプラスしたいとお越しになっています。サービス業の方、研修講師、カラリスト、メイクアップアーティスト、ウォーキングやヨガのインストラクター、 歯科衛生士の方など、本当に様々です。ご自分のイメージアップになり、どのような方面にも活用できるスキルを身に付けていただきたいと思っています。

森川>立石さんが目指しているものはどのようなことなのでしょう?

立石>イメージコンサルタントの立場から、その方全体のイメージアップを図る手段の 一つと考えています。正確にエクササイズを実行することでシワやたるみに対処する物理的な効果は狙えますが、印象を変えるには更に顔に表現力を付けることが大切です。それには話し方や姿勢も関わるので、それらを統合した指導をしています。

「スタジオHOWのフェイスストレッチングは、具体的にどのような分野で活用をされていますか?」

立石>一般の方々の美容面・コミュニケーション面はもちろん、サービス業の社員研修などのご依頼も多くいただいてい ます。近年では健康推進課といったところからのご依頼や、看護師さんのセミナー、年 齢の高い方々へのセミナーが多くなってきています。

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「今後フェイスストレッチングの分野にどのようなことを期待されますか?」

森川>私が学会で発表した時は、そんなこと考えたこともなかったとびっくりする先生もたくさんいました。フェイスストレッチングは純粋な医学というより、美容に関連のある方の力添えがあってここまで伸びてきたのではないでしょうか。そういう意味では立石さんは第一人者であり、長く携わっていらっしゃる立石さんの方が私の先生ですよ(笑)。

立石>先生の研究があったからこそ「表情筋」が広まって、今があります。

森川>20年くらいかけてフェイスストレッチングが広まって来ているんですね。立石さんのお手柄だ。

立石>もう20年近くになるのですね。最初の頃はどこに行っても「何それ?」と言われたものです。森川先生がいて下さるから、私たちは安心して活動が出来ます。

森川>機会があれば、立石さんと共著が出来たらいいですね。

立石>先生の原理と、こちらの現場実感とで組み合わせると、良いものが出来るでしょうか?

森川>その時は知り合いの女優さんたちにも協力してもらいましょう(笑)。

時間を忘れて楽しい話題が続く中、森川先生の携帯に女優さんから散歩のお誘いの電話が入りました。

ランチも御馳走になり、帰りはわざわざ駅まで見送ってくださった森川先生に、スタッフは感激です。

<最後に 対談を終えた立石かずこより、このページをご覧になっている皆様に一言>

スタジオHOWのフェイスストレッチングはどの分野にも活用していただける基本の部分をお教えしておりますので、どの切り口からでも構いません。
気軽に参加していただいて、全てがその方の中で繋がっていることを多くの方に実感していただきたいと思っております。
活躍している講師の方も増えました。お問い合わせいただければお近くの講師をご紹介します。どうぞ体験してみてください。
男性も女性も若い方もシニアの方も、皆さんが日常生活の中でちょっと表情筋を意識する・・というところまで広めて行きたいですね。

ありがとうございました。

記録:佐藤利絵 清水則子